心理スリラー「映画・8番出口」 賛否分かれるが予想外の人間描写にも好印象

映画『8番出口』を観た。原作がゲームで、そのゲーム自体はプレイしていないけど、「地下鉄の8番出口から出られない」という設定は知っていて、そこからどう映画にふくらませるのか興味があった。公開スクリーンも多く、映画会社がかなり力を入れているような雰囲気も感じていた。

主演の二宮和也については、特別に期待していたわけではないけれど、ドラマで見て悪い印象はなかったので、すんなりと受け入れられた。観終わってから、川村元気が監督/脚本と知って納得。やはり、才覚を持つ人の作品と納得した。

映画の序盤は、地下鉄通路をぐるぐる回る展開が続き、少し退屈に感じるところもあったが、次第に「出口にたどり着けない」状況がじわじわと効いてきて、登場人物の変化や状況の不気味さが増していく。河内大和の奇妙な存在感もこの不気味さを支えていて、ジャンルとしてはスリラーに近い印象。

後半もスリラー要素が増えつつ、キャストにある「ある女=小松菜奈」もストーリーに絡んできて、単なるゲームの映像化ではなく、人間を組み込んだ映画だと伝わってきた。

積極的に誰にでも勧めるタイプではないけれど、奇妙で不気味なものを受け入れられる人向けで、「気になる」という人には「面白いよ」と伝えたい。お化け屋敷的な怖さを楽しみつつ、人間ドラマの余韻も残る、不思議な映画。ちなみに、ネットなどでは賛否が分かれている様子。

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