クレデンシャルにスタンプをもらう、ということが、実際にどんなものなのかよく分からなかったが、実際に巡礼を始めるととても簡単で、頼めば押してくれるものだということがよく分かった
スタンプは、主に宿・カフェなど食事をしたところ・教会でもらうことになる。巡礼者向けに作られた特別な絵柄のものもあるかもしれないが、カフェなどでは単なる店名程度のスタンプの場合もあった。日付がスタンプに組み込まれているものは少なくて、手で書き加えてくれたり、あるいは何も書かないままクレデンシャルを戻してくれたりする。何も書いてないスタンプの場合は、自分で書く。そのためのボールペンが用意されていることもあるし、自分で持っているペンで、あとで書き足すこともある。スタンプの形状はさまざまで、縦長だとクレデンシャルのスタンプの枠をはみ出すといったこともある。
宿でスタンプをもらうには、チェックイン後の適当なタイミングで、クレデンシャルを差し出せばいい。宿はクレデンシャルのことが分かっているのでスタンプを押してくれる。100キロ踏破の巡礼者であれば、スタンプは1日2つもらう必要がある。巡礼路を歩いて午後にチェックインする場合、すでにそれまでに2つスタンプをもらっている場合がある。そんなときは、チェックイン時ではなく、チェックアウト時にもらうのもアリ。ただし、早朝チェックアウトで、鍵を受付において宿の人と会わずに出発する場合は、朝スタンプをもらうことはできないので注意。
カフェなど飲食をした場所でも、会計時だったり、カウンターで注文した後、スタンプをお願いして押してもらう。飲食店の場合は、カウンターの一角にスタンプ台が置いてあって、「自分で押して,日付も自分で書く」パターンも多い。ハイシーズンならではだろうけれど、自分で押すスタンプに大勢の巡礼者が列を作ったこともあった。なにも飲食せずスタンプだけをもらうのは、心苦しい。(だれかが監視しているわけではないけど) 土産物屋などでも、買い物をすればスタンプをお願いできそうだった。スーパーマーケットなどでは、スタンプをもらっている人は見かけなかった。
教会の場合も同じで、何列か並んだベンチの後ろのほうのベンチ上、あるいは脇に小さな机を置いて、スタンプが用意されている。大きな教会では、教会の人が対応するとともに、寄付を受け付けている。雰囲気的に、寄付を払わずにスタンプだけもらうのも申し訳ないので、1ユーロとか、50セントとかを寄付しておいた。人によってはもっと大きな金額を払っている人もいる。教会の人がいなくて、セルフでスタンプを押す場合も、寄付を入れる器は用意されていることが多かったようだ。
巡礼路の途中で、屋台というか出店をみかけることがある。アクセサリーや、土産物、ウオーキング用の杖、飲み物などを売っているほか、写真のように「封蝋」でスタンプをクレデンシャルに押してくれる店もあった。
そのほか、巡礼路に「Guardia Civil」が警備車両を出していたこともあった。警察のようなものみたいだが、その車両でもスタンプを押してくれた。
