オッドタクシーを作った「木下麦✕此元和津也」タッグによる新作ということで見に行った。鬼滅にチェンソーマンと派手で高収益なアニメが公開されているこのタイミングで、地味なキャラクターのアニメだが、評判はよいので期待していた。

主人公は元ヤクザの死刑囚と、獄中に差し入れられた植物のホウセンカ。言葉を話すホウセンカと、死刑囚の会話から始まり、死刑囚の若い頃の人生がフラッシュバックする。若い頃一緒に暮らしていた女性とその子ども、ヤクザの面々との暮らしが描かれる。
言葉を話す不思議なホウセンカの声はピエール瀧。少しコミカルな部分もある話し方がはまっていた。小林薫、満島ひかりなど声優陣には、著名な俳優が多く起用され、キャラクターたちが自然にうまく演じられていた。
映画のかなりの部分は、家族やヤクザを描いているので「アニメじゃなくてもいいんじゃないの」と思えたけれど、ホウセンカが言葉を話すという部分などが、朴訥なキャラのアニメでこそ違和感がなく映像化できたのかもしれない。淡々と、静かに、日常が描かれる前半から、徐々に主人公が事件に巻き込まれていく。それでも、地味なので「オチ」があるのだろうかと思っていたら、最後の方では大きく展開。気持ちいいエンディングに流れていった。
見る人を選ぶとは思う。せっかくなら派手でカタルシスのある映画を見たいという人もいるだろうし。でも、いい映画だったと伝えたい。
ブログを書くために日本語のWikipediaを探したがまだ作成されていない様子。一方で、英語のWikipediaはすでにあった。翻訳してみようかな。
横浜のブルク13で鑑賞した後、横浜橋商店街まで足を伸ばして酔来軒で酔来丼をいただいた。丼にかけるタレが「濃いめのラーメンスープのようなものに、辛子を溶き入れた」もので、ピリ辛で美味しかった(かけすぎないよう少しずつが吉)。

