巡礼の道を舞台にした映画は、日本で比較的簡単に見られるものは2つある。ひとつは、2007年日本公開の「サン・ジャックへの道」。もうひとつは、2010年公開の「星の旅人たち」だ。巡礼路に行く前に参考としてみた。
星の旅人たちは、Amazon Prime Videoでプライム特典として見ることができる(2025年秋現在)
サン・ジャックへの道は、調べた限りでは、配信がなく、DVDで見るしかない。TSUTAYAの郵送によるレンタルDVDサービス「TSUTAYA DISCUS」で借りることができた。

映画としては、どちらも巡礼路を歩く中で、主人公の生き方/感じ方が変化していくロードムービー的なもの。
サンジャックへの道は、3人きょうだい(男性2人・女性1人)が主人公で、「3人で巡礼路を歩けば遺産を相続する」という遺言状を残して親が亡くなったので、消極的ながら巡礼路を行く中で、仲の悪かった3人がお互いの理解を深めていくというもの。ときどき、シュールな映像で心象を描く場面がある。
星の旅人たちは、主人公が1人で、息子を亡くした父親が巡礼路を歩きながら人々とふれあうというもの。こちらも巡礼路仲間と同行しながらの旅が描かれている。シュールな心象描写などがなく、素直に見られる。
映画として、というより、巡礼路の予習的に見たのだけれど、映画が古い、あるいは描いているシーンが古いためか、宿泊の様子などは、いまの巡礼路とはちょっと違う印象はある。今の巡礼路は、荷物を運んでもらうサービスがあるが、映画の登場人物は、そういうサービスとは無縁で大きな思いリュックを背負っている。ただし、歩く道の様子はほぼ同じ。自分は、サリアからの最終100キロしか歩いていないが、どちらも、もっと遠距離から歩いており、道の険しさなどは自分の体験よりしんどそうだ。
また、どちらもサンティアゴ・デ・コンポステーラでいちおうゴールするが、その後、大西洋まで旅を続けている。大西洋までいって、ラストシーンを迎えている映像を見ると、自分も大西洋まで行ったら良かったのかなと少し思った。
「予習」には、あまりならないが、むしろ旅の後に見ると映画として楽しむほかに、自分の体験と比較できるのが面白そうだ。

