スペイン巡礼路と熊野古道の両方を歩いて「デュアルピルグリム」達成の証明をもらうために計画をたてた。そのときの様子を参考までに…。
気温などを予想して時期は11月とした。歩いた印象だと12月前半でもよいのかもしれない。紅葉はまだ部分的で本格的ではなかった。
自分はウィークデーに予定することが出来たので、混雑を避けてウィークデーの中で3日確保のプランとした。仕事の都合で土日を入れざるを得ない人も少なからずいるだろう。
経験者のブログを見ると、熊野古道の中辺路がポピュラーだとわかった。
デュアルピルグリムを説明しているサイトの中では、何通りかのルートが案内されている。
① 徒歩で滝尻王子から熊野本宮大社(38km)まで巡礼する
② 徒歩で熊野那智大社から熊野本宮大社(30km)間を巡礼する
③ 徒歩で発心門王子から熊野本宮大社(7km)まで巡礼するとともに、熊野速玉大社と熊野那智大社に参詣する
④ 徒歩で高野山から熊野本宮大社(65km)まで巡礼する
⑤ 扇ヶ浜潮垢離場と鬪雞神社、あわせて大辺路ルート(白浜町~那智勝浦町間)の2か所以上に訪問するとともに、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社に参詣する
この中に①を選んだことになる。調べ尽くしたわけではない。今にして思えば、③とかは楽かも。②の方が距離は短いが、アップダウンがけっこう有ると、何かで見かけた。ただ、②のルートもよかったのかも。
「通い」で中辺路を歩くのが現実的
38キロのルートの中で、民宿がある村で均等に宿が確保しながら歩くものだと思い込んでいたが、民宿がぜんぜん空いていない。予約電話の中で「外国人の人が、半年前などから予約している」「海外から来る人はキャンセルしない」とのこと。歩いて、泊まって、また歩くという旅人っぽい行程は難しいと分かった。紀伊田辺ならビジネスホテルなどもあり、宿が取りやすいし、飲食店もある程度ある。下記の経験者のブログで「通い」にしていたので、この辺の検討の中で「通い」で歩くことを決心した。
①のルートは、田辺市ツーリズムビューローのサイトにあるように「滝尻王子」から「熊野本宮大社」までのスタンプを集めることが条件になっている。なので…
1日目 紀伊田辺に前泊して、朝イチのバスで滝尻王子まで行き、近露王子まで歩く。そこから宿へバスで向かう。
2日目 宿からバスで近露王子に行き、前日の続きから歩き始める。発心門王子まで歩き、そこから宿にバスで向かう。
3日目 宿から発心門王子まで、バスで向かい、前日の続きから歩き始める。そして、熊野本宮大社まで歩いてゴールイン。
という行程にした。だいたい15キロ、15キロ、7キロといった割り振りだ。バス停の有無で、どこまで歩いて一旦宿に向かうのかを検討した。下記の中辺路を案内するページにある高低差/距離の図にある「バス停アイコン」で判断した。
また、どのバス停に、何時にバスが来るのかは龍神バスのサイトにある時刻表を印刷してチェックした。本数がとても少ない。途中で知り合った人は、紀伊田辺に3〜4日連泊して、毎日、バスで熊野古道に通う方法をとっていた。バスは、乗り放題チケットがあり、「通い」で歩く人には便利そう。(自分は、その方に教えてもらうまで乗り放題チケットのことを知らなかった)

自分の場合は、紀伊田辺に泊まって、翌日、始発のバスで滝尻王子に向かった。そして近露王子から「川湯温泉」の宿に予約が取れたので、そこに2連泊。2日目は川湯温泉から近露王子、3日目は、川湯温泉から発心門王子に通った。ゴール後は、新宮に抜けてそこで一泊した。紀伊田辺にバスで戻ることもできる。発心門王子から熊野本宮大社までは短いので、ゴール後に自宅まで帰るとか、あるいは大阪や名古屋まで移動して泊まる(そして打ち上げ)ことも出来るだろう。いずれも、バスの本数は少ない。
自分の場合は、川湯温泉から通ったことで「温泉に入れた」ことと「連泊なので荷物を減らして山道を歩く日」を持てたことがメリットでもあった。
荷物輸送サービスを利用した
偶然、歩き始める滝尻王子の民宿が、下記の荷物輸送サービス「古道の杜 搬送サービス」を行っていた。リュックなどを朝預けると、昼過ぎに宿に届けてくれる。ウェブサイトにはいろいろな発想地点ごとの価格が載っているが、電話して聞くのがよいだろう。ツーリズムビューローのサイトで宿を予約しないと、搬送サービスが利用できない、という声も聞くのだけれど、自分は滝尻王子の入り口で偶然見つけて、その場で依頼して、対応してもらえた。このサービスも利用したおかげで、全部の荷物を背負ったのは最終日だけで済んだ。


